3.2.2 勧善懲悪の意義. 9
3.2.3 成長教育の意義 10
4. 『浦島太郎』の文化的読み取り. 12
4.1 『浦島太郎』のあらすじと変容.. 12
4.2 『浦島太郎』の禁忌観念.. 13
5. 日本民間童話の文化的影響.. 14
5.1 社会への影響. 14
5.2 禁忌観念とその影響. 14
5.3 児童本位観念とその影響.. 14
6.終わりに-『桃太郎』と『浦島太郎』の文化性.. 15
参考文献. 16
1. はじめに
本論文では数篇の日本民間童話を分析することを通して童話が日本の家庭及び社会へともたらした文化的な影響を明らかにし、また、日本の児童教育及び文化伝承には民間童話がどのように役立つのかを研究したい。先人の書いた日本古典童話に関する研究を読み下せば、本論文の立論に啓発を与えるのみならず、その後の延伸研究にも道を示すことができるだろう。本論文は柳田国男が提唱した「一国民俗学」を踏まえ、日本民間童話の形成と進化を体系的に整理し、分析する。多数のバージョンを比較し、完形と派生派の二つの種類に区別し、その二つの間の異同を探求する。『桃太郎』と『浦島太郎』を体系的に整理し分類する上で、理論と実践という二つの方面から論結する。
2.先行研究と本研究の立場
2.1 先行研究
日本古典童話に関する先人の研究を読むことで、本稿の立論を打ち立てるのみならず、このあとの研究すべき方向をも示すことができる。
韓若氷(2006)によれば、『桃太郎』は日本有名な民間童話として今まで進化し、そのモチーフが次々と改作され、古代大和民族の生活の習俗、心理の状態、審美意識と文化価値の趣向など総合的な変遷を反映している。民間童話は、最初に語り継ぐことに頼って伝播することが多いため、伝えられる度に、話者の体験もしくは当時の場面によって一部の内容を増減することも理解できる。そこで、ある古い童話物語は人々の群集的知恵の結晶だとも言えるだろう。ある意味で、童話の働く対象は現実であり、中にある時代の風貌が残されるのは不可避である。というわけで、童話は児童の成長の友であるだけでなく、統治階層の意思、大衆の無意識、および社会生産レベルの総合的な具現で、時代の語り部である。
李延暁(2015)は、「児童文学の向き対象は児童と大人両方にあることはあるが、創作した際最初の目的を振り替えてみれば、依然として児童向くべきである。日本古典童話は児童の生理の特徴や心理要求や文学需要を重視し、「児童本位」を重んじ、文学性、教育性と娯楽性など多くの方面で素朴な統一を達している。」と指摘している。
滑川道夫(1981)は、「他噺の影響を受けながら口承伝承され、次第に本流噺が定着に向かう。そのあとも語り手や、地域により様々な変化が加えられるが、骨格的な要素だけは変動しない。・・・・・・こうして次々と伝承される間に創造性が加わって、変容されていくことになる。骨格が変わらない場合にも、肉や衣装が変わり得るのである。そういう話し手(書き手)と聞き手(読み手)の関係と、背景にある社会の動向との関数関係のなかで、主人公の性格も変容していく。」と述べている。 日本民间童话的文化性解读(2):http://www.chuibin.com/riyu/lunwen_205883.html